日本人LGBTQIA+団体が2度目のマルディ・グラ参加

 今年45周年を迎え、今や世界的に名高いLGBTQIA+の祭典シドニー・ゲイ&レズビアン・マルディ・グラのパレイドに出るために2022年に結成された在豪日本人団体「ジェンダー・フリー・ジャパニーズ」が、昨年に続き今年も2月25日に開催されたマルディ・グラ・パレイドに参加、約40人がダーリングハーストからムーア・パークへ至るパレイド・コースを踊りながら歩いた。今年は世界規模の別のLGBTQIA+の祭典ワールドプライドの開催地がシドニーでマルディ・グラの開催期間と重なったこと、コロナ以来2年ぶりにオックスフォード・ストリートにパレイドが戻ったこと、さらにはアンソニー・アルバニージー首相が”マルディ・グラ史上初めてパレイドに参加したオーストラリア首相”という歴史的な話題性などもあり、例年以上の盛り上がりを見せた。

今年のパレイドに参加したジェンダー・フリー・ジャパニーズの皆さん
Main

toboji.comパレイド当日の晃暉さんと綾香さん夫妻(©︎toboji.com)

 ジェンダー・フリー・ジャパニーズは山田綾香さんと性別適合手術を受けて男性になった山田晃暉(こうき)さん夫妻(法律上も夫婦)、伊東優(まさる)さん、中川雄詞(ゆうじ)さんの4人により昨年結成され、性別や性思考にかかわらず誰もが“結婚”という選択肢を選べる世の中になってほしいという願いを込めて、昨年も今年も”It’s time for marriage equality in Japan”と書かれた大きな横断幕を手にパレイドに参加。2017年に同性婚が認められた”同性婚先進国”オーストラリアから日本へ、逆輸入の形でメッセージを伝えたいという思いも込められている。「ジェンダー・フリー・ジャパニーズはジェンダーやアイデンティティ、そして日本人以外であっても国籍を問わず、LGBTQIA+という言葉さえ知らない人でもウェルカムで、メンバーもシスジェンダー、ストレート、ゲイ、トランスジェンダー、といろんな人がいます」と綾香さん。

 日本人団体がマルディ・グラ・パレイドに参加したのはジェンダー・フリー・ジャパニーズが初めてではなく、90年代に一度だけ「ジュリアナ東京」という団体名でオーストラリア在住の日本人がパレイドに参加したことがあり(※かつて東京に実在したナイトクラブとは無関係)、TV中継でその中のひとりがリポーターの質問に「日本ではまだまだ(同性愛に対して)保守的」だと答えている。今年のパレイドに参加した綾香さんの感想コメントは次の通り。

「パレイドはもうあまりにも刺激的で、世界中の人々に実際に見てほしい! 出てほしい!と思うくらい心を揺さぶられました。マルディ・グラはLGBTQIA+に関するイヴェントではありますが、『私は当事者じゃないから』とか『差別や偏見はないけどよく分からない』とか、そんなこと気にせずどんな人でも主役になれるんです! もしもパレイドを“歩く側”として参加されたいと思う方は、ぜひジェンダー・フリー・ジャパニーズへお声がけください。来年のマルディ・グラのランウェイへお連れします!」

Gender Free Japanese

公式サイト:genderfreejapanese1.wixsite.com/website E-mail: genderfreejapanese@gmail.com

【今月号関連の動画】
ジャパラリア公式YouTubeチャンネル最新投稿
(※動画視聴は以下のそれぞれのタイトルをクリック♪)
●【レストラン取材】スシトレイン・ボンダイ・ジャンクション店
●【シドニー探訪】メイ・ギブス記念館「ナットコート」