バロック音楽専門のユニークな楽団オーストラリアン・ブランデンブルク・オーケストラが、ドイツ・バイエルン出身のテノール歌手マルクス・ブルッチャー(Markus Brutscher)をゲストに招き、「モーツァルトと愛とパリ」と題したコンサートをシドニー・シティのエンジェル・プレイスで開催中です。10月30日に行われた2夜目をリポート!
初来豪のマルクス・ブルッチャーは写真で見るとかなりギラついていますね。ドイツ人というより熱いラテン系の血でも入ってそうな感じです。髪の毛の薄さを妙に隠したがるかのような写真のトリミング加減も気になります…
こちらの写真でもやはり頭隠しのビミョーなポーズ…
とまあそんなルックスのブルッチャーですが(クラシック・シンガーなのでルックスは一切関係ないのですが…)、パフォーマンス自体は見事でした!非常に表現力豊かで、アリア1曲ごとに客席から「ブラボー!」の叫び声が上がりました。「ギラついてそう」とか「髪の毛薄い」とか写真で見ていただけの時はさんざんの評価だったルックスも、実際に舞台に立つ姿を見るとフランスの性格俳優っぽくて素敵でした。
ブルッチャーは幼少期、ドイツ国内外で高い知名度を誇るアウグスブルク大聖堂少年合唱団に属し、同合唱団の“スター歌手”的な存在として数多くの楽曲でソロを取っていました。そのせいで同合唱団のほかの男の子たちからは大いに妬まれ、12歳で声変わりして合唱団を去らなければいけなくなった際には、皆「ざまあみろ」と言わんばかりの冷たい態度だったとのことです。悲しいかな、どこの国でも子供のイジメってあるんですね。
ですがその後ブルッチャーは見事“大人のクラシック歌手”への脱皮に成功し、現在に至ります。日本を含み世界中での公演経験を持つほか、CDレコーディング参加は50作品以上を数えます。
今回のコンサートでは、モーツァルト作曲のオペラ「皇帝ティートの慈悲」「ドン・ジョヴァンニ」、同じくモーツァルトの「交響曲第31番ニ長調『パリ』K297」など、コンサート・タイトルにもある通りモーツァルト・ファンにはたまらないモーツァルト作品8曲、そして1曲だけシュースター作曲の「デモフォンテ」からのアリアという全9曲のプログラムが用意されました。ブルッチャーのアリアだけでなくオーストラリアン・ブランデンブルク・オーケストラの演奏もたっぷり楽しめる選曲となっています。11月6日(土)まであと3公演ありますので、興味がある人にぜひおすすめしたいコンサートです!
Australian Brandenburg Orchestra: Mozart, Love & Paris – info
●会場:エンジェル・プレイス内シティ・リサイタル・ホール(City Recital Hall, Angel Place)●日程:11月3日(水)、5日(金)、6日(土)●開演:7PM ●料金:*大人/プレミアム席$130、A席$107、B席$89、C席$56、*16歳未満/プレミアム席$65、A席$45、B席$30、C席$25、*30歳未満/A席$45、B席$30、C席$25、*年金受給者/学生/失業者/B席$55、C席$34 brandenburg.com.au