「輝く女性たち」:マザーズコーチングスクール認定コーチの松吉奈保美さん

命よりも大切な存在の未来のために
今私たちができることを届けたい

松吉奈保美さん(38歳)
マザーズコーチングスクール認定コーチ
Nahomi Matsuyoshi

Matsuyoshi_blog

「物心ついたころから看護師になるのが夢でした。私は3姉妹の長女ですが一番下の妹は私が10歳の時に産まれ、母のお産の際に初めて助産師という職業があることを知って目標をそちらに絞り、北里大学の看護学部で助産学を専攻し、看護師・助産師・保健師の資格を取得しました。卒業後はそのまま北里大学病院に就職し、4年間、助産師として働きました」

 日本のマザーズコーチングスクール認定コーチとして対面(シドニー)またはオンラインによるマザーズコーチング講座を開講している奈保美さん。自身も現在5歳と3歳の男の子の母だが、4年間勤めた助産師の仕事を辞めたのは結婚や出産がきっかけだったわけではなかった。

「憧れだった仕事に就いて毎日が楽しくやりがいもありましたが、私が働いたのは通常のお産だけではなく母子どちらかに疾患などを抱えた妊婦さんが出産する病院で、500gの赤ちゃんを取り上げたこともあったり、妊娠中や出産直後に亡くなった赤ちゃんもいて、私自身が自分のメンタルの整え方を知らなかったため、しんどくなってしまったんです。助産師の仕事は大好きだし一生続けたいと思っていたのに、このままだと助産師でいることが辛くなってしまうかもしれないという危機感さえ抱くようになっていました。そんな時、ワーキング・ホリデイの制度を知り、もっと視野を広げたい、と思い切っていったん退職し、27歳の時に来豪しました」

 当初は1年のオーストラリア生活で“海外旅行が楽しくなる英語力を身に着けて日本へ帰国”することを目標にしていたが、現在の夫となる日本人男性と知り合い結婚、オーストラリアに永住することになった。

「いざ結婚してこの国で生きていくとして、私は何をしていけばいいのかと考えましたが英語もできないし、なかなか子供も授からず最初の数年間は辛い模索の日々でした。英語の勉強を続けながらTAFEでアシスタント・ナースの資格を取り、ノースブリッジの老人ホームで介護士として働くようになってからやっと何かが吹っ切れ、不思議なことにその1年ほど後に長男を妊娠しました。ドゥーラさんに付いていただいて、とてもいいお産の体験ができましたが、初めての子育てに私がガチガチだったんでしょうね、産後鬱みたいになってしまって、長男が産まれて最初の2カ月は毎日泣いていました(笑)。その後も、手探りでの子育てにやはり1年くらいは『これでいいのかな?』というプレッシャーと孤独感との闘いでした」

 初めての出産と子育てが海外、また奈保美さんがまだ大学生だったころに実母が癌で亡くなっており出産前後に頼りになる母親のサポートも得られなかった経験から、次男を出産して半年ほど経ったころ自分と同じような境遇のママたちの力になりたいとマザーズコーチングスクールを受講して認定コーチの資格を取得した。

「自分がいかに子育てにおける子供とのコミュニケイションの方法について学んでいなかったかというのを、講座で学んだからこそ分かりました。ママたちはみんな子供に対する愛情はあるけど、ついイライラしたり子供に当たったりしてしまうこともあります。そこからどういうふうに気持ちを切り替えてやっていくのかを学べるのがマザーズコーチングです。そこで学んだものが親子の信頼の積み重ねになり、長期的な視点で見た時に大きな違いが出ます。将来、子供が大人になった時に『こういう親子関係でいたい』という軸がしっかり持て、そうなると親子の距離感が掴めます。子育てって、子供のことで悩んでいるようで実は自分のことなんですよね(笑)。そこに気づいて初めて子供のことを信じられるようになりました。命よりも大切な存在の未来のために、今私たちができることを届けたいと思っています。子育てに悩んでいるママさんたちに、ぜひお気軽に受講していただけたら幸いです」

マザーズコーチング講座 – info

※受講は対面(シドニー)またはオンラインを選択可 ●ベイシック講座(お母さん自身の「心」と「思考」のバランスを学び身に着ける):受講料7,700円(約2時間) ●アドヴァンス講座(子供とのコミュニケイションについて子供に伝える言葉そのものの選び方を学び身に着ける):受講料8,800円(約2時間) 受講申込・問い合わせ:nahomimatsuyoshi.com(サイト上の「Contact」より)

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