シドニー在住の料理研究家・出倉憲秀(けんしゅう)さんがこのたび、海外における日本の食文化の普及・発展に多大な貢献を果たしたことを日本外務省より公式に認められ、外務大臣表彰を受賞、10月7日、ベルヴュー・ヒルにある在シドニー日本国総領事公邸において授賞式を兼ねたレセプションが開かれました。
挨拶する出倉さん
当日は出倉さんの職業柄もあってシドニーに店を構える日本食レストラン経営者など多数の外食産業関係者が招かれました。授賞式では高岡正人シドニー総領事の挨拶に続き出倉さんが壇上に立ち、「私は本来このような賞をいただくに値しない、ただの“怠け者”なんですが」とユーモアたっぷりにスピーチを始め、「いろんな人に助けられて今の私がいます。今日この場にいるすべての方に愛を表します(I love you all)」と感動的に締めくくりました。スピーチの後、高岡総領事から賞状と副賞を授与され、招待客は温かい拍手を送りました。
高岡総領事(右)より表彰状を授与される出倉さん
出倉さんは東京四谷出身で、実父が料亭を営む環境の下に生まれ育ったことから15歳のころより学業の傍ら料理の世界に入り、1972年に来豪、そのまま永住権を取得して現在に至ります。日本食のデモンストレイションや料理教室開講などのほか、11月1日には実に18冊目となる新刊「酒(Sake)」も出版されるなど日本食に関する英語の著書の執筆・監修にも積極的に活動を続けています。なお、出倉さんの下の名前の「憲秀」は料理家としての名取名で、海外では本名の「Hideo Dekura」として知られており、グルメ本の著者名もそちら。
ジャパン・ファウンデイションの遠藤直所長と千恵子夫人