「お菓子を通して国や言葉を超えた温かいつながりを感じてほしい」
韓国宮廷菓子/フラワー・ケーキ・アーティスト(「Hana Flower」主宰・講師)
斉藤彩乃さん(31歳)
Ayano Saito

彩乃さん作のバタークリームを使ったフラワー・ケーキ
「ワーキング・ホリデイで来豪中に夫と出会い、結婚しました。夫は韓国系オーストラリア人で私との会話は英語ですが、13年前に夫が韓国から呼び寄せた義両親は韓国語しか解せず私との間に言葉の壁があり、思うようにコミュニケイションが取れず悩むこともありました。そんな時に出会ったのが韓国宮廷菓子とこちらも韓国発祥のお菓子作りの技術“お花絞り”でした。『言葉はすぐに上達しなくても、相手の文化に敬意を持ち、理解しようとすることで心は通じ合える!』、そう感じた私は一時帰国の際にまずは在日韓国人の先生から学び始め、その後、韓国や中国に滞在し、著名な先生方の下で半月ほどの修行にも挑戦するなどして技術を磨いてきました」
日本でも人気を集めている、白あんで花を作るお花絞りだけでなくこちらも韓国式のパイピング法(※クリームなどを絞る技術)によるバタークリームを使ったフラワー・ケーキ作りも習得し、ウエディング・ケーキなどのオーダーに対応するかたわら、シドニー北郊イーストウッドの自宅の一室を教室として各種コースやワークショップも開講している韓国宮廷菓子/フラワー・ケーキ・アーティスト兼講師の彩乃さん。ここに掲載の写真を見ても分かる通り、特にフラワー・ケーキに飾られているのは生花かと見紛うばかりの華やかさで、まさにエディブル・フラワー(食用花)ならぬエディブル・アートと言っても過言ではない。
「ケーキのお花は1輪作るのに1〜2時間かかるものもあります。もう少しで1輪完成という時に手元が狂って崩れたら修復不可能なためまた一から作り直しで、数え切れないほど失敗しました(笑)」
「日本の可愛らしさを取り入れたお花絞りレッスン」「韓国のリアルさを追求したお花絞りレッスン」「本場仕込みの韓国宮廷菓子レッスン」など本格的にみっちり学べるコースのほか、気軽に参加できる4時間完結の「いちごクリーム大福」のワークショップ($150)に、親子で楽しめる同2時間の「韓国餅 × 日本 × オーストラリア」ワークショップ(親子2人分で$120)を随時開講中だ。お花絞りで使ういちご大福も当日、彩乃さんの指導の下に作る。
「日本の可愛らしさを取り入れたお花絞りレッスン」コースで作る作品の一例(左)と、和菓子とはまた異なる美しさの韓国宮廷菓子(いずれも彩乃さん作)

「いちごクリーム大福」ワークショップ(左)、親子で楽しめる「韓国餅 × 日本 × オーストラリア」ワークショップでそれぞれ制作する作品一例

「ワークショップのお花絞りは白あんに天然色素を混ぜたものを大福の上に載せるため大福自体の中にはあんこは入っておらず、生クリームといちごが包まれています。私は和菓子職人ではないので土台となる大福だけでも20回以上試作してやっと納得できるものが作れるようになりました(笑)。受講された生徒様からは美味しいととても好評です。お花絞りの材料は、白あんだけは日本食材店などでしか入手できませんが、それ以外はすべてスーパーで購入できますので受講後、家でも再現可能です」
将来の夢は?と尋ねると、「オーストラリアで一番有名なフラワー・ケーキ・アーティストになること!」と笑いながらも即答する。
「日本ではまだ学べる場がない、非常に高度で繊細なバタークリームのお花絞りレッスンも半年以内にスタートする予定です。ご家族やご友人へのプレゼント用に趣味として楽しみたい方、技術を磨いて本格的に学びたい方、将来お仕事として生かしたい方、それぞれの目的に寄り添いながら、楽しく学べる教室を目指しています。お菓子を通して国や言葉を超えた温かいつながりを感じていただけたら、心から嬉しく思います。興味を持たれた方は公式サイトからお気軽にお問い合わせください」
Hana flower cake / Hana flower Korean dessert
*公式サイト(コースやワークショップの詳細掲載):hana-flower-cake.com
*公式インスタグラム(彩乃さんの作品の写真を随時公開!):hana.flowerau
【※ほかにもまだまだたくさんいる「輝く女性たち」のリストはこちら!】
【ジャパラリア公式YouTubeチャンネル最新投稿】
●シドニー探訪:フラワー・ミル・マーケット
●シドニー・レストラン取材:まんぷくローズベリー店
●シドニー・レストラン取材:スシトレイン・ボンダイ・ジャンクション店
(※動画視聴は↓以下の画像ではなく↑上の赤い太字をクリック♪)

