「輝く女性たち」:声優の住友優子さん

女優は綺麗な人がなる職業だけど
声ならいけるんじゃない?と(笑)」

声優
住友優子さん(56歳)
Yuko Sumitomo

※住友優子さんからの動画コメントはこちら

「短大時代に演劇サークルに所属していましたが、女優とか声優になろうなんて思ってもいませんでした。卒業後、東映シーエムで経理の仕事に就いて間もないころ、かかってきた電話を取り次ぐ際に『○○さん、内線○番にお電話です』と言う声が可愛いと言っていただき(笑)、CM制作会社という繋がりから私にテレビのナレイションの仕事がきたのがきっかけでした。女優は綺麗な人がなる職業だと思っていましたが、声ならいけるんじゃない?と(笑)。数カ月で会社を辞め、青二(あおに)プロ(※日本の大手声優事務所・青二プロダクション)が開講しているフルタイムの声優養成講座を1年受講して、そのまま青二プロに所属し今に至ります。声優になった初年度の年収は8,000円でした(笑)。3年目くらいにラジオのCMの仕事がレギュラーで入って、そのあたりからなんとか食べていけるようになりました」

 日本の第一線で活躍する声優の住友優子さん。2月初旬に初来豪の際、シドニーで取材に応じてくれた。2014年から続くNHK「中井精也の絶景!てつたび」のナレイションや、大ヒット・ゲイム「GUILTY GEAR」シリーズのミリア・レイジ役、さらには「笑っていいとも!」毎週木曜の目玉コーナーだった「素晴らしいラブレターの世界」に顔出しレギュラー出演し、視聴者から寄せられた手紙を朗読、それもどんなに真面目な内容の手紙でも過度にセクシーに読み上げることで茶の間の人気者となったのを覚えている人もいるだろう。デビュー当時からずっと、どちらかというとナレイションの仕事中心で、日本語吹き替え版の洋画やアニメにはほとんど出演していない。

「一度に2つのことができないんです(笑)。当たり前ですが、洋画やアニメの吹き替えは画面の中の人物の口の動きに合わせなきゃいけない。かつ台本も見なきゃいけない。それが私にはどうしてもうまくできず(笑)」

 自称“官能声優”ならではの仕事上の失敗談も。

「ペイズリー柄ってあるじゃないですか? あれをパイ○リと読んだり(笑)、あと、これは下ネタではありませんが山梨にある石和(いさわ)温泉を漢字の見た目のまま“いしわ”温泉と読んでしまい、なぜかその場にいたスタッフも誰も間違いに気づかず、収録を済ませ夜中に帰宅し、さあ、お風呂に入って寝ようっていう深夜2時に電話がかかってきて再度スタジオへということもありました」

 行動派という印象が強い。やはり自称“スピオタ”でもあり昨年末、初めてのシドニー行きを決め、“シドニー”“スピリチュアル”で検索をかけたところシドニー在住の日本人タロット・リーダー/サイキック・ミディアムのリリー・マヤさんがヒットし、たまたま12月にリリーさんが一時帰国することを知り、東京でリリーさんのセッションを受けた。その際、リリーさんに「シドニー滞在中、在住日本人の方向けに読み聞かせの会みたいなのができるといいなと思ってるんですけど」と相談、リリーさんがシティの古書籍売買店ほんだらけ フル・オブ・ブックスを紹介し店内での朗読会が実現、ほんだらけから事前に本誌に情報提供があり取材実現、と優子さんの小さな行動が大きく輪を広げた。

「冒険が好きなんです。好きな映画も『ロマンシング・ストーン』や『インディ・ジョーンズ』などの冒険もの(笑)。リリーさんにコンタクトを取ったことであれよあれよという間に朗読会が実現でき、初めてのシドニーではいい方ばかりと巡り会え、『ああ、オーストラリアっていい国だなあ』と思います(笑)」

住友優子さんシドニー滞在中の2月1日、シティのほんだらけで開催された特別イヴェント「声優・住友優子と楽しむ朗読の世界」参加者の皆さん(手前左が住友優子さん、右端がほんだらけ店主のとみんごさん、その左隣(奥)がリリー・マヤさん)

※イヴェント当日の様子を収めたショート動画はこちら

 実生活では大御所お笑い芸人・九十九一(つくも・はじめ)さんの妻でもある。

「彼はすごい勉強家で、読む本の量もすごいし、尊敬できる部分がたくさんあります。普段から面白い人でもあり、私が自撮りした写真の私の顔がダム工事現場のオヤジみたいだといって三日三晩笑い続け、今でも彼はちょっと凹んだりすることがあるとその写真を見て笑っています(笑)」

 人気職業の声優を目指す人には次のようなメッセージをくれた。

「声優になりたいという気持ちだけでなく、何かほかにも自分がやりたいものを極めることも大切だと思います。何事も経験が人を作りますし。私も50過ぎてから英会話を始め、先生からは3歳児並みと言われていますが(笑)、いつか英語劇ができるようになるよう励んでいます」

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●シドニー・レストラン取材:スシトレイン・サリー・ヒルズ店