3日間の“ワン・ナイト・スタンド”(映画「ベター・ザン・セックス」)

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※2025年12月9日更新

ベターザンセックス

原題:Better Than Sex

(オーストラリア2000年公開、日本未公開/95分/MA15+/ロマンティック・コメディ/DVDで観賞可能)

監督:ジョナサン・テプリツキー
出演:デイヴィッド・ウェナム/スージー・ポーター/クリス・マクウェイド

(※以下、文中の紫色の太字タイトルをクリックすると該当作品の本コーナーでの紹介記事へとジャンプします)

 パーティで知り合った1組の男女が後腐れのない一夜限りのゆきずりの関係(英語で“ワン・ナイト・スタンド”)を楽しみ、一夜だけのはずがそれが3日間続き…という恋の行方を描いたロマンティック・コメディ。男女役に、後に「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ2(2002)と3(2003)のファラミア役や「300〈スリーハンドレッド〉」シリーズ1(2006)と2(2014)のディリオス役でハリウッドでの地位を築くデイヴィッド・ウェナム(※彼が出演したオージー映画一覧はこの画面一番下に掲載!)と、こちら日本人にはあまり馴染みがないものの、メル・ギブソンやケイト・ブランシェットなどを輩出した、大卒と同じ学位が取得できる名門校、NIDAの頭文字を取って“ナイダ”と呼ばれるシドニーの国立演劇学院出身の正統派で、日本でもオンエアされたオーストラリアの連ドラ「ウェントワース女子刑務所(Wentworth)」シーズン6から8(2017〜2021)まで囚人マリー・ウィンター役でレギュラー出演したスージー・ポーター(「ウープウープ」※ほか彼女が出演したオージー映画一覧はこの画面一番下に掲載!)が扮している。ジョナサン・テプリツキーの監督デビュー作で、テプリツキーも本作の後、コリン・ファースとニコール・キッドマン、真田広之出演の「レイルウェイ 運命の旅路(The Railway Man)」(2013)や「チャーチル ノルマンディーの決断(Churchill)」(2017)などにより海外でも才能を認められるに至っている。本作は豪仏2国出資の合作映画だが、前述の3人を含み主要キャストもスタッフもほぼ全員オージーかつ全編シドニーで撮影され、残念ながらいずれも受賞は逸したとはいえ全豪映画界において最も権威ある第42回オーストラリア映画協会(AFI)賞(現オーストラリア映画テレビ芸術アカデミー賞)では作品、監督、脚本、主演男優(ウェナム)、主演女優(ポーター)、助演女優(タクシー運転手役のクリス・マクウェイド)、作曲、美術賞の主要8部門にノミネイトされた。

最初から最後まで出ずっぱりの主人公の男女役を演じ、ともに同年度AFI賞主演男女優賞候補となったデイヴィッド・ウェナムとスージー・ポーター
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 映画はほぼ全編、シンシア(スージー・ポーター)が住むユニット(※日本でいうアパート)の部屋で繰り広げられ、この部屋、キッチンだけは別室だがトイレもバスタブもベッドがあるのと同じ部屋にあり、トイレ使用中に他人に見られないようにするカーテンはあるものの、ジョシュ(デイヴィッド・ウェナム)がベッドにいるポーターに背を向けてカーテンも引かず全裸で立ったまま用を足したりもする。タイトルからもポスターの写真からも分かる通り、エッチのシーンがかなり多く、二人は映画のほぼ最初から最後までやってばかりいるということになり、ウェナムもポーターも本作の撮影中はほとんどずっと裸だったのではないだろうかと思えるほど。さすがに性器は映り込まないが、ウェナムはプルンとしたお尻を、ポーターは綺麗な胸を何度となく披露、かといってエッチ描写が赤裸々すぎるというわけでもなく、間に入る小気味良いテンポの会話によって最後まで飽きさせない。3日間、ずっとラブラブというわけではなく時にはケンカもするし、男女それぞれの視点から異性を見た「女って/男ってこうだよね」という“あるある”もユニーク。さすが演技派の二人とあって、ストーリーが進むにつれて、それぞれのキャラにどんどん感情移入させてくれる。

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髪型など一見ボーイッシュで性格もサバサバ系だが繊細な心も併せ持つシンシア役をスージー・ポーターが好演
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 また、タクシーの女性運転手として登場するクリス・マクエイド(「ホールディングマン君を胸に抱いて」「ケリーギャング」「ダンシングヒーロー」「アルヴィンパープル」)も、出ずっぱりというわけではないのに要所要所の出番でピリッとしたスパイスのような印象を残し、AFI賞助演女優賞候補になったのも納得。マクエイドもスージー・ポーターと同じく連ドラ「ウェントワース女子刑務所」シーズン1(2013)に囚人ジャックス・ホルト役でレギュラー出演した。

 その他の出演者は完全なチョイ役にすぎず、男女ともに役名もなく単に男A(Guy A)、女B(Girl B)といった具合に5人ずつ合計10人いる中の男Cにまだ無名だったころのジェイソン・クラーク(「華麗なるギャツビー」)。

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 3日で終わるはずの二人の関係、このことは映画の最初から分かっている。男は3日後にはロンドンに戻らなければならないからだ。いよいよその日、二人はどうなるのだろうか。映画だとは分かっていても、観る者も徐々に二人の関係から目が離せなくなってきて、いつの間にか映画の中の二人を応援してしまっているはず。

STORY
 野生動物専門のフォトグラファー、ジョシュ(デイヴィッド・ウェナム)と、ドレスメイカーのシンシア(スージー・ポーター)は、シドニーのとあるパーティで共通の友人を通して知り合う。ジョシュはロンドン在住で、3日後にはロンドンに戻らなければならないという。その夜、同じタクシーに乗った二人は、どちらも相手とワン・ナイト・スタンドの関係を持ちたいと心中思うもののなかなか言い出せないが、二人とも「どうせ二度と会うこともないだろうし」と頭の中で考えをまとめ、シンシアの部屋で一夜を楽しむ。翌朝、お互いの連絡先を交換することもなくシンシアの部屋を出たジョシュだったが、ユニットの建物を出た途端、どうしてももう一度シンシアに会いたくなり、共通の友人に電話してシンシアの電話番号を突き止め、再度シンシアの部屋でその日も二人は愛し合う。その次の日も。そうしていよいよジョシュがロンドンへ戻る日、二人は…?

デイヴィッド・ウェナム出演のその他のオージー映画(テレビドラマ含む):「エルヴィス」「LION/ライオン 〜25年目のただいま〜」「ドリッピング・イン・チョコレート」「オーストラリア」「ムーラン・ルージュ「ベター・ザン・セックス」ハーモニー(1996年版)」

●スージーポーター出演のその他のオージー映画(テレビドラマ含む):「しあわせの百貨店へようこそ」「パルス」「イースト・ウエスト101   」「リトル・フィッシュ」「タップ・ドッグス「ベター・ザン・セックス」トゥー・ハンズ/銃弾のY字路」「エイミー」「ウープ・ウープ

「ベター・ザン・セックス」予告編

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