ノースブリッジにあるシドニー最大の日本食材店・東京マートの創業者で、オーストラリア全土に流通網を持つ日本食材卸業商社ジュンパシフィック創業者でもある舟山精二郎さんが７月３日、永眠した。92歳だった。遺族の意向により舟山さんの葬儀は近親者のみで執り行われた。

舟山精二郎さん

　舟山精二郎さんは1931年、福島県で生まれ、慶應義塾大学卒業後、総合商社・江商（現・兼松）に入社、1961年に駐在員としてシドニーに赴任した。退社後の1976年に日本食材店・東京マートをオープン、すき焼き用の薄切り肉をオーストラリアで初めて販売した店でもあり、当初は舟山夫妻による二人三脚経営の小さな店だったが規模を拡大し続け今年で創業47周年、今ではシドニー在住の日本人で知らない人はいないシドニー最大の日本食材店として愛され続けている。また舟山さんはその後、オーストラリア全土に流通網を持つ日本食材卸業商社ジュンパシフィックも創業、さらにはゴールド・コーストとブリスベン、メルボルン、パースの４都市にこちらも日本食材店の不二マートも展開し、亡くなる直前まで会長職に留まり東京マートやジュンパシフィックのシドニー・オフィスにほぼ連日、顔を出すなど最期まで精力的に仕事を続けた。オーストラリアにおける日本食及び日本食材の普及に貢献した舟山さんの功績は大きく、生前、日本の外務大臣表彰も授与されている。

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