宝島社より小説家デビューの青山美智子さん独占インタヴュー!

14歳の時に掲げた「夢」、47歳にしてついに実現!

小説「木曜日にはココアを」発売!

独占インタヴュー
小説家・青山美智子さん(47歳)
Exclusive Interview with Michiko Aoyama

読者プレゼント!(5名様)
青山美智子さんのデビュー本「木曜日にはココアを」
(※応募の詳細は「月刊ジャパラリア」2017年9月号をご覧ください)

michiko_aoyama1709-1 2003年のジャパラリア創刊号より巻末に大人気エッセイいろはにポケットを連載中の青山美智子さんが8月26日小説家としてのデビュー作となる単行本木曜日にはココアをを日本の大手出版社宝島社より出版日本全国の書店やAmazon.co.jpなどで絶賛発売中です。過去にTVドラマの脚本を基にしたノヴェライズ本を何冊か出した経験はありますが100%青山さんが創造した物語が出版されるのは今回が初となります。47歳にしてついに小説家デビューを果たす青山美智子さんに今の心境を語ってもらいました。

「『木曜日にはココアを』は、もともとは2015年から16年にかけてジャパラリアの公式サイトでウェブ版独占小説として連載させてもらった『12 Coloured Pastels~十二色のパステル~』(※当サイト一番上のピンクの帯のメニュー『小説・青山美智子の部屋』内にあり!)が出版社(宝島社)の目に留まり、書籍部の編集の方から一度お会いしたいと連絡をいただいて出版が決まりました。素直に嬉しかったです。小説家って文学賞を取ってデビューするのが王道だと思っていたのでこういう形で実現したのが自分でも不思議ですが、“勝ち抜いた”んじゃなくてなんとなく“見つけてもらった”という点で、これが私らしいのかなとも思いました(笑)」

 小説家デビューが決まったいきさつを笑いながら振り返る青山美智子さん。とはいえ、書籍化に際してはジャパラリアのウェブ小説をそのまま使用するのではなく改稿に次ぐ改稿を繰り返しました。

「ジャパラリアでの小説はタイトルにあるように1話ごとにテーマとなる色を変えた全12色(全12話)の物語になっていて、出版に当たっては編集者と何度も打ち合わせを重ね、大幅に加筆修正を加えていますが色(エピソード)の数はそのまま12色、それでも何十回も書き直しました(笑)。編集者からOKが出ても、自分がやっぱり違うと思ったら納得いくまで何度もやり直させてもらい。ここにはこの言葉しかないという私なりのこだわりも強くなって、部分的にですが1行書くのに2日、下手したら1週間かかったこともありました。逆にジクソー・パズルみたいにピタッとはまった時の爽快感はまた格別でした」

 デビュー本「木曜日にはココアを」は、東京と、そして青山さんが20年以上前の90年代前半に1年半暮らしたシドニーを舞台に、青山さんの言葉通り12のエピソードから成る心温まる小説です。それぞれのエピソードごとに主人公も男女取り混ぜ日本人だったりオージーだったりと変えながらも、全員がそれぞれのエピソードに登場するほかの登場人物とも絡んでいるという複雑な構成ですが、各エピソード1話完結かつ読みやすい文体でまとめられています。

「ジャパラリアの連載では隣同士のエピソードしかつながっていなかったんですが、編集サイドから人物が全体的にあちこちでつながるようにしてほしいと言われ、もともと登場人物が多い話なのに新たに人物を増やしたりもして、書いている私自身の頭の中が混乱して大変でした(笑)。2~3回目のミーティングで編集者に『登場人物の相関図を作ってみたら?そこに、それぞれの役のイメージに合うと思う芸能人の顔写真を貼って書き進めるとやりやすくなると思いますよ』と提案され、A3紙いっぱいになる相関図を作ってみたら、本当に自分の中ですごくクリアになりました。実際には物語の中に出てこないような、例えば『このキャラクターはどんな音楽を聴くのかな?』とか想像を膨らませたりもして」

book1709-1青山美智子・著「木曜日にはココアを」(宝島社刊/単行本/¥1,404)

 

 デビュー作としては極めて恵まれた事柄のひとつとして、本の装丁を現在放映中のNHK朝の連続テレビ小説「ひよっこ」のオープニング映像などで知られるミニチュア写真家・田中達也さんが引き受けてくれた点が挙げられるでしょう。

「編集者が4人ほどアーティストの候補を出してくれて、パステル画、児童文学の挿絵調、ラノベの少女漫画風などがあり、ミーティングでそれぞれの作品を目の前に並べられました。私の中ではジャパラリアでの連載タイトルからもパステル画のイメージしかなかったので最初はパステル画を選んだんですが、私自身も毎朝楽しみに観ている朝ドラ『ひよっこ』のオープニングを田中さんが手がけたと知り、ぜひ田中さんにと編集部を通して依頼してもらいました。でもとにかく売れっ子の方なので、最初は『今、忙しくてスケジュールが取れないから新規の制作依頼は受けない』と断られたんです。それでも編集者が私の原稿を田中さんに送ってくれたところ、『これはミニチュア・アートに合う』と受けてくださって。先日、表紙用に創っていただいた作品を初めて観せてもらったら、小説のメイン・キャラクターを全員登場させてくれただけでなく、写真なのにミニチュアの人物が動いて見えて感激しました。面白いことに、小説自体もジャパラリアでの時はパステル画として平面的にしか私の中でもイメージできていなかったのが、書籍化に当たっての肉付けで立体的な粘土細工になった感じなんです。私の本が書店に並んだら、おそらく『ひよっこ』を観ている人が『あ、この表紙、今やってる朝ドラと同じアーティストじゃん?』と気づいてくれることもあると思い、ぜひ“ジャケ写買い”してほしいです(笑)」

 青山さんが小説家になりたいと思ったのは14歳の時だというから、夢の実現までに実に33年かかったことになります。東京の雑誌社勤務のかたわら、25歳の時からほぼ年に1作、長編小説を書いてさまざまな賞に応募しました。

「落選しても『ま、私は天才じゃないからな。次頑張るか』と毎年のように書いては応募していました。33歳で初めて小学館主催の賞を受賞して、同社の編集者から2作目を書いてと言われ、もしかしてそれでデビューできるかもと半分期待しながら書いて送ったんですが、返事すらもらえませんでした(笑)。結局33年かかりましたが、諦めるきっかけがなかったというか、特に40過ぎると“夢”とかでもなく生活に組み込まれていて、書くことが普通になっていました。私の友達が言った言葉に、『負けた時にもう1回やりたいと思うのが本当にやりたいこと』というのがあります。私も何度落選してもまた書きたいという思いで生きてきたんだなあと」

 小説「木曜日にはココアを」は舞台が東京とシドニーとあって、青山さんの1年半のシドニー生活も反映されているといいます。

「6割くらい反映されてます(笑)。あの時の自分だったり、その時シドニーで出会った人だったりが登場します。もう20年以上前のことで、シドニー生活は私にとって“前世”みたいな感じです。自分であって自分でない、でも間違いなく私の“基礎”といった。シドニーにいる時には気づかなかったことを帰国して気づいたりもしました。財産を手にしてきたんだなあと思います。楽しい思い出ばかりでなく辛かったこともありましたが、あのころの自分に頑張ってたねと伝えたいです。よくぞシドニーに行ってくれた、でかした!って(笑)。ジャパラリアのウェブ版小説を読まれた方にも、『木曜日にはココアを』を手に取って読んでいただければ嬉しいです。一つひとつの話は短編で独立していて登場人物も違いますが、共通しているのは全員“人知れず頑張っている人たち”で、そこを読んでいただきたいです。パステル画がどう粘土細工になったのか、というあたりにもご注目ください」

木曜日にはココアをあらすじ】僕が働く喫茶店には不思議な常連さんがいる。必ず木曜日に来て同じ席でココアを頼み、エアメイルを書く。僕はその女性を「ココアさん」と呼んでいる。ある木曜日、いつものようにやって来たココアさんは、しかし手紙を書かずにうつむいている。心配に思っていると、ココアさんは、はらりと涙をこぼしたのだったーー。主夫の旦那の代わりに初めて息子のお弁当を作ることになったキャリア・ウーマン。厳しいお局先生のいる幼稚園で働く新米先生。誰にも認められなくても自分の好きな絵を描き続ける女の子。銀行を辞めてサンドウィッチ屋をシドニーに開業したオージー男性。人知れず頑張っている人たちを応援する、一杯のココアから始まる温かい12 色の物語。